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下流の裁判情報公開訴訟―基本高水の根拠をめぐって国土交通省は2010年秋から、八ッ場ダム建設の是非を決定するため、八ッ場ダム事業の再検証を始めました。八ッ場ダム建設の主要目的は、利根川流域の「治水」と「利水」ですが、いずれにおいても科学的な根拠が乏しいとの指摘が多くの識者からなされています。八ッ場ダムの再検証を行うためには、これまでダム建設を必要性としてきた根拠資料の公開が前提となりますが、国土交通省関東地方整備局は公開を拒んでいます。 八ッ場ダムの建設根拠の重要な数値である利根川の「基本高水流量」は、1980年(昭和55年)、それまでの毎秒17,000m2から22,000m2へと大幅に引き上げられました。これは治水上、八ッ場ダムをはじめとする数多くのダム建設を進める根拠を作り出すためだったのではないかと言われてきました。 2004年から始まった八ッ場ダムの住民訴訟では、22,000m2という数値の過大さが大きな争点となり、その計算方法が科学的ではないことが東京新聞などでクローズアップされました。国会でも河野太郎議員(自民党)がこの問題を取り上げたことから、馬淵澄夫大臣が2010年10月、基本高水の再検証を指示するに至りました。これを受けて国交省は2011年1月、日本学術会議に基本高水の再検証を依頼しました。 2010年9月、八ッ場ダム住民訴訟(2004年~)の弁護団長をつとめる高橋利明弁護士は、利根川流域の洪水に関する重要資料を関東地方整備局が黒塗りとしたのは不当だとして、全面開示を求めて東京地裁に提訴しました。 訴状によると、カスリーン台風(1947年)規模の降雨量があった場合に利根川上流域で見込まれる洪水量(基本高水流量)を検証するため、高橋弁護士が2010年7月、国交省関東地方整備局に情報公開を請求しましたが、同整備局は8月、重要部分(流域分割図・流出モデル図)を非開示(黒塗り)にした資料を交付しました。 重要な情報を非開示とした理由として関東地方整備局が示した内容は以下の通りです。 「構想段階の洪水調節施設に係る情報を含む部分については、国の機関内部における検討結果に関する情報であって、公にすることにより国民の誤解や憶測を招き,国民の間に混乱を生じさせるおそれがあるため,法5条第5号に該当するものであることから、当該情報が記載されている部分を不開示とした」 上記の文中の「洪水調節施設」とは、主にダムを指します。 原告側は、利根川水系においては今後、八ッ場ダム以外のダム建設が想定されておらず、国民の誤解、憶測、混乱を招く可能性がないことや、行政が透明性を求められていることなどから、非開示は違法と訴えています。 これに対して、被告の国交省関東地方整備局は、2011年1月25日に準備書面を提出し、全面的に争う姿勢を示しています。 情報公開訴訟※以下の画像をクリックすると、PDFファイルが開きます。
住民訴訟
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